黄金の地から来た流浪者は、心にも体にも戦いの傷が残っている。
かつての一国の王子は、今や曲がりくねった蒼翠の迷宮に迷っている。
年老いた森林王は権力の血の匂いを嗅ぎ、眉をしかめてため息をついた…
白い弓を持つ狩人は呼ばれた。森に属さない囚われの野獣を捕獲するために。
黒い影が拡散し、「死」の囁きは森の迷宮で向かう先を探している。
流亡する者の後を追って、呪いは砂海から蔓延り、「生」の領域を浸食していく。
緑色の回廊と路地を通り抜け、彼女は見知らぬ気配から、来る者の目的に気づいた。
記憶と野望の間で、彼は乱れる水音と鳥の鳴き声の中を彷徨う…
「我が矢に射られたのよ、無礼な侵入者!次の矢はあなたの心臓を狙うわ。」
「雨林を彷徨わないで。子供たちの心地よい夢を邪魔しないで。ここにあなたが欲しがる王冠はないの!」
森のたくましい女狩人はそう警告した。彼女の矢と鋭い目から逃げられた獲物はいない。
だがなぜか、彼女は長弓を少し下げ、わざと道に迷ったあの者に当らないようにした。
草木は困惑し、夢に逃げた子供たちも、血が流れずに済んだことにほっとした…
すべての夢を洞察した森の王は彼女の意図を察し、巨木をも震わせる囁きを発した。
「穢れた地から来たあの凡人はお前とは違う。あの者の手は血に染まり、心は欺瞞と妄想に満ちている。」
「だが森は無邪気な夢しか受け止めない。血は狩りと犠牲のためだけに流され、欺瞞は許されない。」
「もし彼が森の迷宮で栄誉を取り戻す資格があると思うのなら、彼が白い枝を手折るよう導いてくれ…」
「その時になれば、月と星は彼に純粋な霊智を与え、苦い酒のような思い出と欲望を捨てられるだろう。」
そして、彼女は再び白い狩猟弓を握ると、流浪者を迷宮の奥へと慌ただしく追いやった…
それからのことは月と星が見届け、子供たちのあいまいな夢に残るのみであった。
流浪する貴族は、白い枝を自分だけの鋭い剣に仕上げたと言われている。
また、彼はあれから故郷の名を忘れ、王になる夢も忘れたと、子供は夢の中でささやいた。
やがて、王子ファラマーツの名は雨林に消え、風砂と共に砂漠へと帰っていった。